「ヒップホップ=攻撃的な内容」という固定観念に疑問を感じ、「もっと多くの人にヒップホップを感じてもらいたい」と願うKEN-RYWが出した一つの答。それが「Sympathy」である。
共感を生む、飾り気のないストレートなリリックは、まさに感動を呼び起こす。青森県という寒さの厳しい北方の土地で育まれた、KEN-RYWの純粋な心情が一枚のアルバムに凝縮。トラックはジャズ、ラテン、ソウルなどのエッセンスを積極的に取り入れ、オシャレで哀愁を誘う大人の雰囲気が印象的である。
男女の微妙な関係を書き上げた作品「Candy Luv」は、脳裏に情景や感情まで浮かんでくるようなストーリー性がある。トラックもキャッチーながらもどこか切なさが漂い、世界観を広げている。家族への感謝の気持ちを綴った「永遠家族」は、JAZZY で軽快なピアノループをバックトラックに、かけがえない者の大切さを実兄(SI-RUDE)と共に歌い上げている。
トラックは、湘南乃風のREMIXなどで活躍中のXtra Jamや、倉木麻衣、愛内里菜などメジャーアーティストのアレンジで知られるDJ ME-YAらが提供。参加アーティストは、2003年度ITF日本チャンピオンのDJ 1,2、BLACK MOONの前座を務めたこともある三沢のカリスマSI-RUDE、DJとしては青森NO.1の知名度を誇るDJ SONIC、BLACK EYED PEASとも親交の深いCan’noなど、強力なサポートを受けた注目の楽曲が目白押しである。
問い掛けるようなやわらかいリリックの世界は、聞き手を自然に前向きにさせ、勇気づけてくれる(実際ライブを見て涙を流している客もいる)。日常をラップするKEN-RYWだから提示できる、共感を呼ぶヒップホップ。これこそ、まさに現代社会において必要とされている一枚である。